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【長尾智子さん】パスタ・ティレーナの使いこなし Vol.2

トルティリオーニと白菜、れんこんのグラタン

温かい料理がおいしい季節になりました。ティレーナのパスタを生かして何を作ろうかと考えて思いついた、湯気がご馳走の料理をご紹介します。前回、初めての提案でご紹介した茹で方は、通常のパスタの真逆のやり方ですが、アルデンテを意識しないで十分に茹でる美味しさは、ティレーナならではだなと思います。

秋から冬にかけては、煮込んだり焼き込んだりの料理を連日食べたくなりますが、そんな料理法にぴったりでボリュームたっぷりの仕上がりになるもの魅力。

お馴染みのジェノヴェーゼは、季節の葉野菜で作ります。バジリコ100%で作るのが定番のジェノヴェーゼですが、個性的なルッコラの風味を生かし、意識して使わないと残りがちなかぶや大根の葉も、無駄なくおいしく使い切る方法でもあります。時季によって種類が変わりますから、くせのないものと個性のあるものを組み合わせて、材料の変化もおいしさと感じられるソースを試してください。



大好評間違いないグラタンと、煮込んだミートボールもご紹介します。グラタンは、基本的には火を通した材料にクリームやチーズを合わせてこんがりと焼く料理。香ばしい焼き色をつけることを目指す訳ですが、保存もできて便利に使えるベシャメルソースを作ります。ベシャメルは、牛乳を温めてとか、温度差があるとダマができるというすり込みで、難しそう!と思う方も多いとか。ちょっとした迷信?なのではないかしらと思うので、恐れずトライしてください。心配なら、助っ人は泡立て器で。出来上がりをしばらし置くと表面に膜が張りますが、それも泡立て器で解消できますし、ぜひおいしいベシャメルソースを作ってください。



ミートボールはカサレッチェと組み合わせて、カサレッチェラウデミオに浸けておいたにんにくの風味を纏わせます。にんにくを焼くと、インパクトのある強い風味になりますが、風味だけをオイルに溶け込ませた使い方もおいいしいものです。ほのかなにんにくの香りは、穏やかでまた違った印象になります。

フジッリ入りサーモンスープ


もう一つは北欧の定番のサーモンスープにフジッリを加えて、ボリュームのある冬の煮込み料理に。ティレーナのパスタを茹でてみると、溶け出した小麦のとろみまでも活用したくなり、余すところなく食べたくなります。グラタン、スープと材料がよく煮込まれて馴染んだ方が食べ心地のよい料理は特に、お湯は少なめにして茹で上がって少しとろみのある水分が残るというやり方が合っているように思うので、そんなティレーナの個性を生かしたやり方も試してください。寒い季節に気持ちも身体も緩む温かい料理を。

リングイネのミックスグリーンソース

リングイネと言えば、組み合わせたくなるのが定番のジェノヴェーゼ風のバジルソースです。ハーブの種類が少なくなる秋以降は、色んな葉っぱのソースはいかがでしょうか。今回はほうれんそう、ルッコラ、かぶの葉で。ルッコラのぴりっとした苦みがアクセントです。小松菜、春菊、大根の葉、クレソン、三つ葉、紫蘇、水菜….と色々組み合わせて、季節ごとに緑の味を楽しめます。かぶや大根の葉も入れて無駄なく使い切ります。ポイントは、辛みや苦みのあるものを必ず加えること。味のバランスが取れ、個性が出ます。残ったらポテトサラダに混ぜたり、スープの味つけとして便利。スパゲッティ2種、他のマカロニでもまた違った美味しさです。

トルティリオーニと白菜、れんこんのグラタン

少し太めの、茹でるだけでもう美味しそうなマカロニがトルティリオーニ。皆が大好きなグラタンで魅力を発揮するパスタです。茹で方は前回の、お湯の量は少なめにして水気を余り残さないやり方が合います。後半で具材を加えて一緒に蒸し煮。ベシャメルソースは作って見ると手軽なもので、1週間くらいなら保存もできます。全体量を考えると、バターやチーズは少なめなので、ラウデミオの風味を加えながら作って行きます。ぜひ秋冬の定番に。フジッリ、カサレッチェ、ペンネで作っても。

ミートボールとカサレッチェのガーリック風味

ミートボールとカサレッチェのガーリック風味

こちらも皆の大好物。野菜たっぷりのトマトソースでミートボールを煮込み、カサレッチェににんにくを軽く漬け込んだオイルで風味つけして盛り合わせます。ミートボールの種は、洋食のハンバーグのようによく練ったり空気を抜いたりせず、材料が馴染んだら丸めます。ひき肉の粗さが素朴な食感に仕上がって美味しいですよ。風味づけのひとつに白ワインを使っていますが、赤ワインにして量を多めにすると、もう少し大人向け。カサレッチェの他、ペンネフジッリでも。

フジッリ入りサーモンスープ

フジッリ入りサーモンスープ

くるくると螺旋状のフジッリは、ソースや合わせる材料が馴染みやすく食べやすいパスタです。ティレーナフジッリはしっかりとしたボリュームで螺旋がくっきりと美しい形。少なめのお湯で茹で、途中で他の材料を足して煮込んで行きます。出汁を取ったり足したりはしないで、材料の風味を出汁にします。生クリームでこくを加えたり、ディルに加えて、仕上げにこしょうやラウデミオと、少しずつ風味の素を足して仕上げ。北欧の定番スープに、パスタはしっくり馴染む素材。他の3種類のパスタも合います。また、鮭を鱈にしたり牡蛎やムールにしたりと、同じ作り方のバリエーションもお勧めです。