チェリーテラスの食とレシピ

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【長尾智子さん】パスタ・ティレーナの使いこなし

風味豊かなオリーブオイル、フレスコバルディ・ラウデミオでお馴染みのフレスコバルディブランドのパスタ、PASTA TIRRENAが新発売されます。
美しいブルーの箱が印象的で、6種類あるパスタ全てにGRANI ANTICHIの文字。トスカーナ産、古代小麦のパスタは完全に精製している白米のような状態ではなく、印象としては6、7分搗きといったところでしょうか。

どんな食べ方でも美味しそうですが、茹で上がりの感じは?どんな硬さ、柔らかさがいいのかと、あれこれ試してみました。実験を繰り返すうちに、通常はソースのつなぎとして加える茹で汁も使い切りたくなり、パスタの重さの4倍くらいを目安に、パスタを茹でるには少ないお湯で茹で、残った茹で汁がソースそのもののようになるやり方を思いつきました。
パスタといえば、まずはたっぷりのお湯を沸かし、塩を入れ、というのがセオリーですが、このパスタ・ティレーナは、お湯の量を変えて2つの茹で方を試していただきたいと思います。
ちょっとした火加減で水分の蒸発の仕方は変わるので、オリーブオイルでくっつき合うのを防ぎ、スプーンで時々混ぜて茹で上げます。火が通る前に水分不足にならないように適宜水を足せばいいので、さほど神経質になる必要はありません。

この茹で方の良いところは、お鍋一つで茹で上げて仕上げて、そして鍋中の全てを食べるというところ。何とも始末のいいパスタになります。
イタリアやヨーロッパの硬水と日本の軟水との茹で上がりの違いを生かす、というところでしょうか。とろりと溶け出た小麦粉のとろみを生かして、家で作るパスタならではの食べやすく優しいひと皿にしなります。
一箱500g入りのパスタ・ティレーナは、一般的に一人分の量とされる80g~100gを使うと多すぎるくらいの茹で上がりのボリューム感があるので、特にソースに具材が多ければ一人分50gくらいで十分。それもこのパスタの優雅で上等なだけでない、骨太でたくましさのあるところもユニークな一面です。



イタリアの地図を見ると西側はティレニア海。この海からの風も、古代小麦の生育に一役買っていそうです。トスカーナで育てて栄養を十分に残した未精製に製粉、ブロンズの型で抜かれてゆっくり乾燥させた、生粋のトスカーナ生まれ。箱のブルーは海、曲線の模様は海風でしょうか。丁寧に作って味わいたいパスタです。

カサレッチェのカチョ エ ぺぺ レモン風味

カサレッチェのカチョ エ ぺぺ レモン風味

カサレッチェは、くるりとS字にねじったユニークな形のショートパスタ。シチリア生まれだそうです。
個人的にもとても好きなタイプ。いろいろなソースと好相性なので、トマトソースをはじめジェノヴェーゼや
ナッツのペスト、アンチョビを加えたトマトソースのマリナーラやたこやえびなどのシーフードにもぴったりです。
そんなカサレッチェを、お腹が空いた時のおむすび?お茶漬け?のようなパスタの食べ方の基本的なシンプルさのカチョ(チーズ)エ ペペ(こしょう)に。茹で汁を煮詰めていってチーズを加える作り方にしてみました。半分は茹で上がりに混ぜ込み、残りは盛りつけた後にたっぷりと。

トルティリオーニの昆布だしと枝豆風味

トルティリオーニの昆布だしと枝豆風味

トルティリオーニは少し太めの、筋の入ったパスタ。ちょっと愛嬌があり、美味しそうな見た目が個性的。トマト、チーズ、クリーム、オイル系もソースと絡めてチーズを振って焼くのもおいしそう、と想像が膨らみます。
このとてもイタリア的なパスタを、昆布に干し椎茸を加えた出汁で茹でてみました。


枝豆、昆布、干し椎茸、魚醤、青紫蘇、アンチョビ、オリーブオイルと、材料は和風とイタリア風のミックスを
バランスを見て組み合わせ。魚醤はお好きなものを。イタリアにも古代ローマ時代から作られ続けているコラトゥーラ、またガルムと呼ばれる調味料があるので、それもヒントになりました。

夏野菜とペンネリガーテのオルトラーナ風

夏野菜とペンネリガーテのオルトラーナ風

お馴染みの溝のあるペンネ、ペンネリガーテをオーブンで焼いた香ばしい夏野菜を合わせます。
オリーブオイル、バルサミコの風味を加え、色鮮やかに食欲が倍増しそうなパスタに仕上げました。
野菜は思い切りたくさん焼いておいて、冷蔵保存しても。


オルトラーナは、イタリア語で菜園。新鮮な野菜を高めの温度で焼き、水気を飛ばして味を凝縮させ、
香ばしくラフに仕上げてください。

スパゲッティのトマトソースレモン風味

スパゲッティのトマトソースレモン風味

パスタと言えば、まず思い浮かぶのがスパゲッティ。とひとことで言っても、太さの種類も様々です。それぞれに個性的で美味しいのですが、このスパゲッティはしっかり太めで食べ応えも十分。



アルデンテというよりも、十分にしっかり茹でるとイタリア料理の大らかさを感じるような気がします。

トマトソースは、ある程度凝縮させたピュレを使うと、シンプルながら味の濃いスパゲッティらしい仕上がりになります。ここでは手軽にピュレを使っていますが、よく熟したトマトを裏ごしして煮詰めて自家製で作るのも素敵。爽やかさの出るレモンの風味を忍ばせます。