チェリーテラスの食とレシピ

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二十四節気の食材とレシピ「秋分」

「暑さ寒さも彼岸まで」の言葉通り、秋の気配が感じられるようになりました。暦の上では立秋から立冬までが秋でとなります。秋分はその中間にあたり、 昼と夜の長さがほぼ同じになり、それ以降は秋の夜長に向かいます。ほっと一息つける過ごしやすい気候になりましたが、夏の疲れやエアコンによる身体の冷えから体調を崩しやすい時でもあります。また、空気がどんどん乾燥する季節に向かいますので、体を潤す食材を食べましょう。大根、レンコン、山芋、ナシ、白キクラゲ、白ゴマなどの白い 食材は、体を潤す働きのものが多いのでおすすめです。特にナシは肺を潤す食材の代表で、咳止め効果もあります。生でいただいても良いのですが、ナシと白キクラゲを軟らかくなるまで煮て、ハチミツで甘さをプラスしたものをデザートにしてはいかがでしょうか。また、栄養学的に粘膜を強くするのは、ビタミンAやカロテンです。色の濃い野菜や果物を意識的に取って、体の内側から強くしていきましょう。免疫力が高まり、風邪などの感染症にかかりにくくなります。

ホクホクとした食感でほんのりとした甘みのある栗は、秋を代表する食材です。栗の主成分は糖質で、ブドウ糖やショ糖を含むので甘みがあり、消化吸収がよくエネルギー源として役立ちます。更に免疫力を高めるビタミンCのほか、エネルギーの代謝をスムーズにするビタミンB₁、腸内環境を整える働きがある食物繊維などの嬉しい栄養が多く含まれています。栗に含まれるビタミンCはでんぷんに包まれているため、焼き栗や栗ご飯にしても加熱による損失が少なく、ビタミンCの栄養をしっかり摂ることができます。また、渋皮に含まれるタンニンはポリフェノールの一種で、老化を引き起こす活性酸素を除去するほか、皮膚の保護作用があります。ビタミンCとの相乗効果でシミやしわの予防、アンチエイジングなどの美肌効果など女性に嬉しい働きが期待できます。

秋を感じる栗ごはんは実は理にかなった献立です。ご飯の糖質を体のエネルギーに変える際に必要なマグネシウムやビタミンB₁を一緒に摂る事ができます。
美味しい栗の見分け方は、ふっくらと丸みがあり、ずっしりと重く、果皮に張りと光沢があり、みずみずしさを感じるものがおすすめです。

なかなか渋皮まで食べにくいですが、渋皮煮にすると美味しくお召し上がりいただけます。冷凍保存もできますので、大きくしっかりとした栗が手に入ったときにおすすめです。ぶ厚く固い鬼皮は、沸騰したお湯に一気に栗を入れて強火で3分程茹で、ザルにあげ氷水に入れて冷やすとむきやすくなります。

しいたけ

きのこたっぷり酢辛湯(サンラータン)

きのこの定番である椎茸は、天ぷらや煮物、炒め物など様々な料理で活躍をします。低カロリーで食物繊維が多く、腸の運動を助け便秘の解消につながります。また、腸内細菌を育て菌叢が整うことで、免疫力アップにも。椎茸は油で調理することによりおいしくなり、ビタミンDの吸収が良くなります。またカルシウムを含む食品(乳製品・こまつな等菜類)と一緒に摂ることでも吸収率を高めてくれます。最近注目をされているβ-グルカンは、免疫細胞を活性化させる働きがあります。 椎茸を積極的に取り入れ夏の疲れを回復し、冬に備えましょう。

バルサモ・ディヴィーノ風味のきのこたっぷり酸辣湯は、3種のきのこと香味野菜の入った満足感のある副菜です。ビタミンDがしっかり摂れますので、例えば麻婆豆腐と一緒にお召し上がりいただくと、豆腐に含まれるカルシウムの吸収を促し、豚肉や豆腐に含まれるたんぱく質と一緒に摂ることで筋肉アップも期待できます。β-グルカンは水溶性のため、汁ごといただける酸辣湯はおすすめの食べ方です。

干し椎茸は日光に30分ほど当てることで、ビタミンDが約6.5倍増えます。干ししいたけは袋のままでよいので、少し光にあててから保存することをおすすめします(生のきのこは少しだけ光に当てて、すぐに使用するか、冷蔵庫で保存しておけば大丈夫です)。

いか

枝豆入りいか団子

いかは高タンパク低脂質、うま味成分も多く少量で満足感が得られるので、ダイエット中の方でも安心して食べられる食材です。タウリンや亜鉛といった重要な栄養素も豊富に含まれ、様々な調理方法で食べることができます。お酒のおつまみにいかをカレー粉で炒めてはいかがでしょうか。タウリンは肝機能を助ける働きがあります。カレーの香辛料であるターメリックに含まれる「クルクミン」も胆汁の分泌を促し、肝機能を強化する働きがあるため、効果倍増が期待できます。いかは冷凍保存にも向くので、積極的に食事に取り入れてみま しょう。いかは歯ごたえがあるため、「消化しにくく胃もたれの原因になる」と思われがちですが、実は消化率が良いので、消化器系への負担が少ない食材でもあります。また、よく噛むことによって脳の働きを活発にすることが注目されています。

いかの旨味と食感を楽しめる枝豆入りいか団子は、1日に摂りたいたんぱく質の1/3量を摂る事が出来ます。またいかはビタミンEも豊富。ビタミンEは「若返りのビタミン」とも呼ばれており、抗酸化作用のあるビタミンです。油と一緒に摂る事で吸収が高まる為、かりっと揚げるこちらのレシピはおすすめの食べ方です。

セージ

自家製ソーセージ

セージは強い抗酸化力をもち、身体の老化を抑え、いつまでも若々しく保つ効果が期待できるハーブ。古くから薬草として使われており、ソー「セージ」という名前からも分かるように、ソーセージの香辛料として馴染み深いハーブです。また、抗菌・抗ウイルス作用を持っている為、セージティーでうがいをすると風邪や感染症の予防になるといわれています。鼻に抜けるさわやかな香りは食欲を刺激して、消化を助ける働きもあります。ハーブティーにして飲むと全身の血行がよくなるので、疲れ気味の方におすすめです。また、全身に血液がめぐることで免疫力も高まりますね。肉料理の香り付けや、臭み消しとして使われ、豚肉との相性は特によいです。スペアリブやミートローフのようなかたまり肉の料理には、生の葉をつけてオーブン焼きにすると美味しくなるので、ぜひお試しください。

フレッシュセージをふんだんに使用した自家製ソーセージは、市販品のソーセージでは味わえない肉々しさや香り高さをお楽しみ頂けると同時に、添加物を使用しないため安心してお召し上りいただけます。栄養価を比較すると、ソーセージを手作りした方がたんぱく質や鉄分がアップします。またカリウムも増え、食塩相当量はオフできるため、むくみや血圧の高さが気になる方にもおすすめです。

(文/グラフ デザイナーフーズ株式会社)