まいたけ

タコウキン科。秋田の郷土料理、きりたんぽ鍋に欠かせない食材としてよく知られている香りが強くておいしいきのこ。天然ものはブナやミズナラ、シイ、カシ、クリなどの老大木の根元や根株から薄い扇子のような形の傘が重なり合って発生する。大きさは直径15cmぐらいから60cmという巨大なものまであり、傘の表面が淡黄褐色か灰色で裏は白。名の由来は広葉樹の根元でこのきのこを見つけるとうれしくて舞い踊ったから、またその形が舞の手ぶりに似ているからといわれる。長い間人工栽培ができず、また発生もしにくかったので幻のきのこと珍重されていたが、1970年代に人工栽培に成功し、現在市場に出回っているのは主におがくず栽培で、ほかに天然ものに近い味と香りの原木栽培(半自然栽培)もある。特徴は独特の風味と香り、弾力のある歯ごたえで、鍋物のほかシチュー、煮物、和え物、汁物、てんぷら、網焼き、マリネなどさまざまな料理に広く使われる。味が濃いので炊き込みご飯や汁物にする場合はほとんどだしを必要としないのも特徴のひとつ。栽培ものは通年出回っている。 ◇栄養成分　低カロリーでビタミンB2やＤ、食物繊維を多く含み、高血糖、高血圧、動脈硬化、脳梗塞や心筋梗塞など生活習慣病全般の改善予防に役立つ。またチロシナーゼ阻害物質を含むのでメラニン色素の生成を防ぎ、しみ、そばかすの予防にも作用する。 ◇選び方　笠の縁が黒ずんでいないものがよい。鮮度が落ちてくると縁が黒ずむ。 ◇扱い方　アクぬきは塩水で手早く洗い、さっと熱湯にくぐらせる。保存するなら塩漬け、酢漬け、オリーブ油漬けや、ゆでて水気を絞ってから冷凍に。