チェリーテラスの食とレシピ

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二十四節気の食材とレシピ「芒種」

芒種は、田植えを始める頃と言われています。今の季節からすると、1ヶ月ほどのズレが生じますね。理由は二十四節気は旧暦の暦からはじまっていることが要因。ちょうどこの頃は「梅雨」に入り、じめじめ、ムシムシとした日があれば、急に肌寒く感じるなど、体調の管理が非情に難しい季節ともいえます。また、天気が悪いと気持ちも暗くなりがちですね。気持ちと免疫力は大きな関係があると言われています。欝っぽくならない為にも、旬の食材をいただきながら、健やかな食卓にしていきましょう。

この季節、店頭に並ぶ旬の果実の代表は「梅」。青梅には「アミグダリン」と呼ばれる中毒成分が含まれています。この成分は梅が完熟したり塩や氷砂糖やアルコールに漬けこんでいく間に糖に変化していきます。昔の方はちゃんと変化することを知っていたのですね。梅の栄養成分はあの酸っぱさにあります。クエン酸やリンゴ酸といわれる有機酸は疲れたときの疲労回復におすすめ成分。梅干しや梅酒は食欲増進の効果があると言われていますので、なんとく食欲がない時にはおすすめですね。また食中毒が発生しやすいこの季節は、カビも生えやすい季節でもあります。おにぎりに梅干しを入れて握るのは、食用アップと食品の安全性の意味があったのでしょう。この季節の手仕事として、梅干しや梅酒をつけることをおすすめします。

バーミックスで簡単に作る事ができる梅ペーストは、いつものお料理の味付けに使用することで、心地の良い酸味と栄養をプラスできます。また、お好みでレゼルヴァを入れることで質の良い甘さが加わります。おにぎりに梅ペーストを加えて握ると、塩おにぎりと比較して食物繊維やカリウム、鉄分などを多く摂取することができます。暑くなり汗をかくようになると、体の中のナトリウムとカリウムが汗と共に体の外へ排出されてしまいます。この2つを補う事のできる梅干しは、これからの時期に常備しておきたい、おすすめの食材です。

●梅ペースト
【材料】
梅干し 3個
バルサモ・ビアンコ・レゼルヴァ 適宜

【作り方】
① 梅干しの種を取りレゼルヴァと一緒にバーミックス(グラインダー)でペースト状になるまで混ぜる(梅干しの塩分濃度に合わせてお好みでレゼルヴァを加えてください)。

  • おにぎりの具材、きゅうりと和える、納豆に混ぜるなどいろいろな料理に使えます。
  • 梅干しは3個以下だと刃が引っかかりにくいので3個以上使用した方が良いです。

いんげん

いんげんは、江戸時代に「隠元禅師」によって日本に伝えられたため「いんげんまめ」と言われるようになりました。緑色のいんげんは緑黄色野菜の代表野菜。細長い形の中にも栄養がとても豊富に含まれている野菜で、ご飯をエネルギーに変えるためにとても重要なビタミンB1、B2が含まれています。なんとなく元気がでないという時は、ビタミン不足により食べたものが正しくエネルギーに変わっていない可能性があります。そして私たちの身体を作る大切な必須アミノ酸も全てが含まれています。このアミノ酸は身体を作ることはもちろんの事、免疫の要となる血液やホルモンの原料になるものです。そして忘れてはならないのが食物繊維。お腹の調子を整えながら、免疫力アップにも重要な栄養成分です。美味しいいんげん豆の選び方は、みずみずしく肉厚で、太さが均一で、細めのものがおすすめです。豆の形が分かるのは、あまりおすすめではありません。また保存をするときは、ラップに包んで、立てて保存をすることをおすすめします。

バーミックスで和え衣を作るいんげんの黒ごま和えは、お浸しにした際と比較して、食物繊維が約3倍、カルシウムが約6倍アップします。いずれも不足しがちな栄養素ですので、様々な旬のお野菜でお楽しみいただけます。また白ごまよりも黒ごまの方が抗酸化力が高いと言われていますので、紫外線の強さが本格化するこれからの時期にも、おすすめのメニューです。

ズッキーニ

ズッキーニの形はきゅうりに似ていますが、実はかぼちゃの仲間。細長いものから、丸い形、UFOのような面白い形まで、色々楽しむことができる野菜でもあります。抗酸化成分であるカロテンやビタミンCをはじめ、エネルギー代謝に必要なビタミンB群も多く含まれています。きゅうりと同じくカリウムも多い野菜。むくみやすい人はにもおすすめですね。

レシピの「ズッキーニとモッツァレラチーズのサラダ」は、さっとゆでたズッキーニにモッツァレラチーズを合わせ、ラウデミオビアンコで味付けした、シンプルながら素材の美味しさを楽しめる一品です。ズッキーニにはカリウムやビタミンC等、夏に是非摂って頂きたい栄養素が含まれています。また、ラウデミオチーズを合わせることで、最強の抗酸化力の組み合わせ「ビタミンACE」を摂る事ができるため、美味しさと栄養の双方でおすすめの食べ合わせとなります。

美味しいズッキーニの選び方は、あまり大きすぎず、重みのあるもの、そしてヘタの切り口がみずみずしいものを選ぶとよいでしょう。

大葉

大葉といえば和のハーブの代表。とても香りがよく、味のアクセントには欠かせない薬味野菜でもあります。ペリラアルデヒドという特徴的な香気成分が消化を促し、抗菌作用もあるといわれています。特に細かく切れば切るほど香りが広がるという特徴があります。この香りの成分は葉の裏側 にあります。葉の裏側を触りすぎてしまうと、香りが弱くなるので注意です。大葉はつまなど添え野菜に使用されていますが、実はとても栄養成分の高い野菜でもあります。カロテンはトップクラスの野菜。大葉を細かく刻んで、オイルと混ぜ合わせておくと、香りも飛びにくくなり、カロテンの吸収もよくなります。そしてミネラルも豊富。カルシウムや鉄、カリウムなど、日本人が不足しているミネラルが全て含まれています。大葉を2~3枚食べるだけで食事の栄養素の摂取量が変わります。大葉はピンと張っており、軸が黒く変色をしていないもの、そしてあまり大きくないものを選ぶとよいでしょう。保存をする時は、濡れたキッチンペーパに包むとよいでしょう。また刻んだ大葉は冷凍保存もできます。

大葉と白ごまを使用してバーミックスで仕立てた大葉ジェノベーゼは、手作りならではの香り高さを楽しめる一品です。栄養価も高く、不足しがちな食物繊維やカルシウム、また抗酸化作用のあるビタミンEは1/2日分摂取することができます。通常ジェノベーゼは松の実を使いますが、手軽に手に入る白ごまで作る事ができます。大葉以外にも、春菊やパクチー等、様々な食材で旬のジェノベーゼをお楽しみいただけます。

(文/グラフ デザイナーフーズ株式会社)