チェリーテラスの食とレシピ

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二十四節気の食材とレシピ「立夏」

たけのこソテー グリーンソース

暦の上では立夏から夏。心地良い風を感じつつも、少し身体を動かすと汗ばむ頃でもあります。紫外線も日ごとに強くなりますから、対策も重要。私たちの身体に備わっている免疫の一つに「肌免疫」という機能が ある事がわかってきました。外界と一番繋がっている肌は外部からのウイルスや細菌から身を守る最前線といっても過言ではない場所。紫外線で肌がダメージを受けてしまうと肌免疫も低下してしまい美しさも損なわれてしまいます。紫外線から身を守るためには「赤・橙・黄色」の野菜や果物がおすすめ。カロテノイドと言われる成分が有効です。トマト、赤パプリカ、人参、かぼちゃ、マンゴーなどを油と一緒に摂る事で吸収力がアップします。

たけのこ

立夏の旬な食べ物は「たけのこ」。まさに文字の成り立ちをみていただくとわかるように「竹」の「旬」と書きます。生の筍はこの季節にしか食することができませんね。ゆでたけのこは白い粉のようなかたまりがついています。これは「チロシン」と言われる成分で食しても問題にはなりませんが、苦味を感じる成分でもあります。このチロシンはホルモンを整える、やる気を出す成分でもあります。五月病が発症しやすい時期にたけのこが旬というのも意味があるようです。病は気から…という諺があるように、気持ちが沈んでいると免疫力も低下してしまいます。掘りたてのたけのこが手に入ったらおすすめの食べ方は「焼きたけのこ」。皮付きのまま縦半分に切ってアルミホイルに包み、グリルやオーブントースターで柔らかくなるまで焼きます。薄く切ってオリーブオイルを少し、ミネラルたっぷりの塩をつけて。美味しい旬の味を楽しめます。

レシピの「たけのこのソテー グリーンソース」は、ソテーしたたけのこに香り高いルッコラで仕立てたグリーンソースをかけた春を感じる一品です。たけのこには食物繊維やカリウムが多く含まれています。春はデトックスの季節といわれており、体の中にある老廃物や余分な塩分などを外へ出す栄養を含むたけのこは、私たちの体にも嬉しい、春の食材です。

アスパラガス

アスパラガスには、主にβカロテンやビタミンC、ビタミンKが含まれています。βカロテンは、皮膚や粘膜を健康に保つはたらきや目の健康に重要な栄養素です。さらに注目したい栄養素は「アスパラギン酸」というアミノ酸。「アスパラギン酸」は、エネルギー源として利用されるアミノ酸のひとつで、栄養補給の錠剤やドリンク剤にも使用されおり、うま味成分でもあります。美味しいアスパラガスの見分け方は、太くて真っすぐなもの。そして切り口がみずみずしいものを選ぶとよいでしょう。ただし太いアスパラガスは筋っぽいのも事実。切り落としてしまうのではなく、下の方を2~3cmピーラーで皮を剥きます。その皮も一緒に鍋に入れて一つまみの塩も加えてゆでます。実はこの「アスパラギン酸」は皮にも含まれているため、皮と一緒に茎を茹でることでより美味しく仕上がります。皮も一緒に茹でた茹で汁は、野菜スープなどにも使用でき、手軽にうま味をアップできます。
アスパラガスのリゾットは、アスパラガスに豊富に含まれる葉酸を1日に摂取したい量の1/3量摂る事ができます。またうま味たっぷりのパルミジャーノチーズは、不足しがちなカルシウムを摂取でき、体にも嬉しい一品です。

新じゃがいも

皮ごと食べられる「新じゃが」。「新じゃが」とは、「男爵」や「メークイン」といったじゃがいもの品種名ではなく、春から夏にかけて収穫されたじゃがいものことを指します。普通のじゃがいもとの違いは水分が多くて皮が薄いこと。じゃがいもの栄養は皮に近い部分にあることから、皮ごと食べられる新じゃがはおすすめですね。新じゃがにはビタミンCが多く含まれており、なんとレモンと同等のビタミンC量。ビタミンCは風邪予防など免疫力を高めるには重要な栄養素です。ただしビタミンCは熱に弱いという特徴がありますが、じゃがいものようにでんぷんが多い食品は加熱しても壊れにくいという特徴があります。美味しいじゃがいもの選び方は芽が出ていたり、皮が緑色のものは避け、形が丸く整っていて、重みのあるもの、皮に傷やしわがないものを選ぶとよいでしょう。
実はじゃがいもは皮付きで頂くと、皮なしの場合と比較して食物繊維や鉄分を多く摂る事ができます。特に鉄分は約2.4倍も多くなります。旬の新じゃがをハーブと共に皮ごと焼きラウデミオをたっぷりとかけたハッセルバックポテトは、この時期におすすめの食べ方です。

かつお

この季節、鮮魚では「かつお」が旬をむかえます。お刺身でいただく「かつおのたたき」はまさに旬の食べ方です。
かつおはEPA・DHAといったオメガ3の脂肪酸を多く含んでいます。そして疲労をやわらげる成分として「イミダゾールジペプチド」という成分に注目が集まっています。これは、スポーツ選手をはじめ、健康に気をつかう多くの人に注目されています。疲れが残ると当然のことながら免疫力が低下してしまいます。かつおのたたきは、たっぷりの野菜と一緒に食べることがおすすめ。新玉ねぎのスライスは勿論のこと、薬味ミックスをたっぷりと上からふりかけてはいかがでしょうか。薬味ミックスは、みょうが、葉ねぎ、生姜、ブロッコリースプラウト、大葉などを細かく刻んで混ぜ合わせたものです。薬味は毒消しの効果もありますが、免疫力を高める成分も含まれています。
レシピのかつおサラダは、バーミックスで細かく仕上げた新玉ねぎドレッシングをかけた一品です。玉ねぎに含まれる「アリシン」という成分は、かつおに含まれるビタミンB₁を体の中で吸収しやすくしてくれるため、相性の良い食べ合わせです。ビタミンB₁は体の中でエネルギーを作るときに必要な栄養素のため、春バテなどが気になるこの時期におすすめです。玉ねぎのアリシンは細かく刻むほど多くなるため、今回のようなドレッシングや玉ねぎソースに仕立てると良いでしょう。
またかつおにはビタミンB₆が豊富に含まれています。ビタミンB₆はたんぱく質を消化する際に必要な栄養素ですので、たんぱく質とビタミンB₆の両方を多く含むかつおは、私たちの体づくりをしてくれる、おすすめの食材です。

(文/グラフ デザイナーフーズ株式会社)