チェリーテラスの食とレシピ

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二十四節気の食材とレシピ「清明」

緑の豆のサラダ

ポカポカとした陽気の日も増え、春を感じられているのではないでしょうか。清明はすべてのものが清らかに、イキイキとする頃ともいわれ、木々が芽吹き、花が咲き、鳥や虫が飛び、動植物が活発に動き始める季節です。茶色くなっていた草木がだんだんと緑色に変わっていく様子は生命力を感じ、気持ちまで温かくなります。
店頭に並ぶ野菜や果物もすっかり春色ですね。グリーンピースや山菜をご飯に混ぜるだけでも、春らしい一品になります。これらには、糖質の代謝を助けるビタミンB1やお腹の調子を整える食物繊維が豊富に含まれています。季節の変わり目で、なんとなく体調の優れない方は、食べたものをエネルギーに換え、排泄するという流れができるとよいでしょう。寒い時期を終え、活動的になれる季節です。体の調子を整えて、イキイキと過ごしたいものです。

春キャベツ

春の代表的な野菜である春キャベツ。一般的に出回っているキャベツと品種が違うため、寒い時期のキャベツに比べて柔らかく、 生で食べてもふんわりとしており、食べやすいのが特徴です。1枚1枚の葉を剥がしやすいので、ロールキャベツにもオススメです。栄養価は、寒い時期のキャベツも春キャベツも大差なく、皮膚や粘膜の健康維持を助けるビタミンCは葉よりも芯のあたりに多く含まれています。また胃腸薬の商品名にもあるように、キャベツにはキャベジンと呼ばれる胃腸の粘膜の修復を助けるといわれている成分が含まれています。キャベジンは加熱に弱く、水に溶けやすいため、生で食べやすい春キャベツはキャベジンを摂取しやすい野菜です。胃腸の疲れを感じている方は生のままコールスローサラダにしたり、サッと加熱して巣ごもり卵などにして食べるとよいでしょう。
レシピのキャベツの簡単コールスローは春キャベツ、紫キャベツを使用し、彩り豊かなサラダです。1食で摂取したいビタミンCをしっかりと摂る事ができます。
おいしい春キャベツの選び方のポイントは「重さで選ばない!」。手に持って、ずっしりとしたキャベツが美味しいとよく言われますが、春キャベツは柔らかさを重視したいですね。ふんわりと、葉の巻き方がゆるく、あまりぐっと丸まっていないもの。そしてしっかりと葉の色が緑になっているものを選ぶとよいでしょう。

グリンピース

グリーンピースと聞くと、冷凍や缶詰、シュウマイの上にのっているような、味気ないものを想像しがちですが、この時期に出回る生のグリーンピースは茹でて食べるとホクホクとしており、豆ご飯にすると格別に美味しく食べることができます。茹でたグリーンピースは、急激に冷ますとシワが寄ってしまいますが、塩茹でし、その茹で汁に漬けたまま冷ますとシワが寄らずに仕上がります。豆ご飯にする際は、炊き上がったご飯に混ぜ込むとよいでしょう。また、冷ました茹で汁を炊飯に使うと、より風味がよくなります。グリーンピースには糖質代謝を助けるビタミンB1やマグネシウム、お腹の調子を整える食物繊維が豊富に含まれています。ご飯の代謝を助けるグリーンピース。豆ご飯はとても理にかなった食べ方ですね。新生活は何かとバタバタします。豆ご飯をおにぎりにして冷凍しておくと、時間がない時でもおにぎり1個でビタミンや食物繊維といった豊富な栄養素を摂ることができます。3食しっかり栄養のあるものを食べることは免疫力を上げるにはとても大切です。 おいしいグリーンピースの選び方は何と言ってもさやつきのものがおすすめ。 グリーンピースはさやから出して時間が経つと風味が低下していきます。さやがふっくらとしていて張りがあり、変色していないものを選びましょう。 

グリンピースごはん

そら豆

お酒のお供に人気のそら豆。茹でると独特の香りが立ち、少量の塩を付けて食べるシンプルな食べ方は素材の旨味を感じることができます。そら豆には、カリウムや鉄、亜鉛といったミネラルが多く含まれています。おつまみはどうしても塩分が多くなりがちですが、カリウムにはナトリウムを身体の外に出しやすくする作用があるため、そら豆を一緒に食べると、塩分の摂り過ぎを調節する のに役立ちます。さやから出して塩茹でにしても良いですが、さやごと魚焼きグ リルやトースターで10分程度丸焼きにすると、旨味を逃がすことなく蒸すことができ、簡単に美味しく食べられます。これからのシーズン、バーベキューをする際にもオススメです 。 美味しいそら豆の選び方は、さやに入っていること。さやから取り出すと、急に劣化し始めます。弾力があるものは、水分もしっかり残っており鮮度が良い証拠。鮮やかな緑色で艶があり、外からでも豆の形がくっきりみえて粒が揃っているものを選びましょう。

春が旬の様々な豆が入った緑の豆のサラダは、食物繊維や鉄分、葉酸、ビタミンCなど不足しがちな栄養素をしっかり摂る事ができます。植物性食品に含まれる鉄は、ビタミンCと一緒に摂ると吸収率が上がるため、両方の栄養を含むそら豆などの豆類は非常に優秀な食材といえます。

豆の種類

豆は大きく分けて「未熟豆」と「成熟豆」に分類されます。未熟豆は主に緑色で、そのほとんどがさやごと食べることができます。一方成熟豆は中身の豆のみを食べます。また、栄養素も成長するにつれて変化します。未熟豆はビタミンB₁やCなどの水溶性ビタミンを多く含むのが特徴なのに対し、成熟豆は炭水化物やたんぱく質を多く含みます。この中身の違いにより、同じ豆でも未熟豆は野菜に分類されています。また、豆類の面白い点は、出世魚のように成長に応じて名称が変わる事です。下記表の通り、成長により名称や味、食感や栄養等が変わるのは、豆類ならではの魅力です。

ゼンマイ

啓蟄の頃の食材としてご紹介したわらびによく似た見た目をしたぜんまい。水煮にしたものがスーパーでも売られており、わらびと並ぶ代表的な山菜です。ナムルとしてビビンバに使われている茶色の野菜がぜんまいで、韓国料理では辛いスープや鍋に入れてよく使われています。他にも和え物や煮物にして食べることができます。クセがなく、コリコリとした食感が味わえるので、食べやすい山菜の一つです。 他の山菜同様に食物繊維が豊富に含まれています。ぜんまいをラウデミオでさっと炒めて豆腐と和えたゼンマイの白和えは、食物繊維をしっかりと補給でき、不足しがちなマグネシウムや鉄も補う事ができます。また、ぜんまいには葉酸も多く含まれています。寒さと自粛生活で活動量が大幅に減り、汗をかかなくなったことで体内に老廃物を溜め込んでしまっている方も多いのではないでしょうか。食物繊維をしっかり摂って、デトックスしましょう。

チャービル

チャービルはフレンチパセリとも呼ばれるハーブの一種です。ハーブは春から秋の温暖な時期に旬を迎えます。ケーキ屋さんのケーキにのっている緑色の葉っぱこそがチャービルで、お菓子の他にも魚料理、肉料理、スープや サラダなどいろんな料理の添え物として使われています。 見た目はイタリアンパセリにも似ていますが、上品で柔らかい香りを持ち、フランスを始め、ヨーロッパでは料理によく使われるハーブです。チャービルは消化を助ける成分を含んでいるといわれており、油脂の使用量の多いヨーロッパの料理には相性が良いのです。そんなチャービルを加えた、手作りバターはいかがでしょうか。相性のよい組み合わせで、香りも楽しむことができます。手作りバターはバーミックス(ビーター)を使用して生クリームから作ります。このため栄養価は市販のバターと比較すると、脂質は約20%カットでありながら、カリウムやカルシウムは約5倍多く摂る事ができます。チャービル以外にも、イタリアンパセリ等お好みのハーブでもお作りいただけます(レシピの詳細はパセリで作る「エスカルゴバター」にリンクしております)。いつものパンに塗るバターをチャービルバターに、またケーキにのっているチャービルも残さず食べてみてはいかがでしょうか。」

グレープフルーツ

日本で出回っているもののほとんどは輸入品で、そのうちアメリカのフロリダ産のグレープフルーツは食味が良く、フロリダ産のグレープフルーツの旬が4~5月頃といわれています。爽やかな香りと強烈な酸味、ほのかな苦味と甘みが特徴的です。この苦味成分はポリフェノールの一種であるナリンギンであり、抗酸化作用があるといわれています。また抗酸化ビタミンと呼ばれるビタミンCも豊富に含まれています。新生活や自粛生活によるストレスで活性酸素が発生すると、免疫機能が低下します。体や心に疲れを感じる時、ジュースにしたり、スプーンですくって食べてみると、少しすっきりするのではないでしょうか。バーミックスで簡単に作ることができるフレッシュグレープフルーツは1食で摂取したいビタミンCをしっかりと摂る事ができます。さらに、内皮には血流をよくするといわれる別名ビタミンPといわれるヘスペリジンも摂取することができます。お好みの粒感にできるのも嬉しいですね。
グレープフルーツを選ぶときはまず、ずっしりと重みを感じるものを選びましょう。形も楕円形よりも球形の方が甘いといわれています。

フレッシュグレープフルーツジュース

(文/グラフ デザイナーフーズ株式会社)