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長尾智子さんの素材を楽しむシンプルレシピ「第4回 里芋」

暑さ対策に追われているうちに季節は巡り、いつの間にか秋も深まって、晴れれば空が澄んでお月見が楽しみな季節。
十五夜、十三夜が過ぎても美味しいお芋と栗をもっと楽しみましょう。
里芋は火を通すのに時間がかかりますが、湯気の立つ台所でじっくり料理に取り組むのもいい時間です。
皮をむかずに茹でたり焼いたりすると、その後煮込めば程よいぬめりが、素焼きを食べればほくほくと美味しい。
特にオーブンで素焼きするやり方は、放っておけばいいのでお勧めです。
少し小ぶりな里芋が使いやすいですが、大きいものなら火を通してから切り分ければよく、最終的に大きさが大体揃うようにします。
茹でて皮をむき、ラウデミオでこんがり焼いてもいいですし、マッシュしてチーズをたっぷり振って焼いても。
使い方が限られているようで、いろいろに楽しめる里芋です。

鱈と里芋の蒸し物 青のりオイル

鱈と里芋、どちらも白くて控えめなので、それを生かして、ことことと蒸し煮にしました。
青のりの磯の香りが加わると、味のメリハリと主菜としてのボリューム感が出ます。
鱈は崩れやすいので、できるだけ重ならないように、里芋に蓋をするように乗せること。
火の通りは早いので、ソースを前もって用意しておくようにします。このソースはパスタにも。

ビアンコとラウデミオの使い方
ビアンコの甘みと酸味を加えることで、料理全体が軽やかに優しくまとまります。
単なる蒸し煮から、少し鱈の入った温野菜的な方向に。単独で風味が立つので、ソースではなく素材に味付けするのがコツ。ラウデミオは、青のりと混ぜるだけで香りの良いソースに。控えめな料理に強さを加えてまとめる役割。

里芋と栗のオーブン焼き 

里芋に限らず、お芋はほとんど素焼きに向いています。時間をかけて焼き(とはいえ放っておけば出来上がり)、
栗を加えて焼き上げ。それぞれが皮をむき、栗を添えて、ディヴィーノとラウデミオ、粗塩で味付けする、
自分好みの食べ方です。まずはそうして食べ、続きはブルー系のチーズで。ワインが進みます。

ディヴィーノとラウデミオの使い方
どちらも、素のまま日を通した素材を料理に変える、決め手になる役割。
使う量は意外なほど控えめで効果があり、ほんのすこしのディヴィーノの酸味で引き締まる。
軽い風味の海塩と、チーズの塩気で好みの食べ方を。

里芋と豚肉のディヴィーノ煮込み

甘さと熟成した酸味を生かそうと以前思いついたのは、ディヴィーノの風味を生かした角煮でした。
今回は里芋が加わるので、その煮汁と相まってより優しげな風味になります。八角やクコの実を加えれば
中国風に、赤ワインとトマトピュレを加えれて洋風のアレンジもできます。

ディヴィーノとラウデミオの使い方
今回、ディヴィーノは主役と言ってもいい役割。甘さからコク、酸味まで一つの調味料でまかなえれば、料理はどんどんシンプルになります。ラウデミオは、豚肉の強い脂を香り高い植物の脂で包み込んでまろやかにするために。

バルサモ・ディヴィーノ
そのまま肉料理や魚料理のソースとして、ドレッシングやデザートにと、
お馴染の使い方以外にも、メインの調味料として煮込み料理に力を発揮します。
味付けに迷ったら、ディヴィーノで仕上げを。揚げ物に使うとまるで別の料理になりますよ。
詳しくはこちら→https://shop.cherryterrace.co.jp/c/malpighi/521

バルサモ・ビアンコ
以前ご紹介した、青唐辛子を漬けるだけでとびきり美味しい
ソースになるように、ぶどうの香りの自然な甘さの寿司酢、と考えると活躍させる場がぐんと広がります。
ドレッシングを作る時、ワインビネガーに少し加えるだけで尖った酸味を丸く収める優れたお酢。
詳しくはこちら→https://shop.cherryterrace.co.jp/c/malpighi/525