ユリ科。アビシニア、ギリシャ、シベリア、アルタイなどと原産地は諸説ある。中国では唐代の薬学書『新修本草』( 659年。『唐本草』ともいわれる)に記載があり、日本でも『和名類聚抄』(934年ごろ)に冬葱、凍葱の名で記されている。古くは葉ねぎの変種と思われていたが、分蘖(ぶんけつ=根に近い茎の関節から枝分かれすること)性のねぎと分球性の玉ねぎ(エシャロット)の雑種。ねぎと違って種子を結ばず、葉が枯れて地下部の赤褐色の肥大した鱗茎の根元に小球ができる。それを掘り上げて貯蔵し、植えつける。温暖な気候の瀬戸内地方や九州各地で自家菜園用として早くから定着し、現在出荷量が多いのは広島県尾道市周辺。品種分化はあまり見られず、早生種と晩生種があるだけで、早生種は秋 春採り、晩生種は夏 初秋採りに適している。葉は細く円筒形で濃緑色をし、ねぎよりやわらかく、特有の香りと風味がある。ふぐ料理の香味や薬味、ぬた、和え物、汁の実として使われる。かつては晩秋と3 5月が出回りの中心だったが、現在は通年出荷され、量的に多いのは2 7月と11 12月。東日本でわけぎと呼んでいるものは分けねぎで、株分かれしやすい葉ねぎの一品種。関西のわけぎより葉が太く大きく、春になっても生育を続け、球は作らず葉も枯れない。ちなみに分けねぎの若どりをあさつき、さらに若いものを芽ねぎという。 ◇栄養成分 カロチン、ビタミンCは葉ねぎより豊富で、カルシウムなどのミネラルや糖類も含む。カロチンは体内でビタミンAにかわって細菌に対する抵抗力を高め、ビタミンCは疲労回復や風邪の予防に有効。独特の香りはにんにくやにらと同様、硫化アリルで、体内に長くとどまり、ビタミンB1が吸収されやすいように働く。 ◇選び方 葉の緑色が濃くあざやかで、つやがあり、ぴんとしているものにする。 ◇扱い方 傷みやすいので湿らせた新聞紙できっちり包み、冷蔵庫で保管する。 |