ウルシ科の常緑大高木。原産地は東南アジア、インドとインドシナ半島、インド〜マレー半島など、諸説ある。花がたくさん咲くのに結実が少ないことから宗教上の悟りの難しさを示唆する木とされ、名はインドのタミール語やジャワのスンダ語に由来する。インドでは紀元前から栽培が行われ、ヨーロッパへはアレキサンダー大王の遠征軍がもたらしたとされる。アメリカ大陸に持ち込まれたのは18世紀。その後世界各国へ広がり、日本へは明治(1868〜)以降に導入された。現在の栽培地は熱帯、亜熱帯地域全般と広く、主産地はインド、メキシコ、フィリピン、タイ、インドネシア、アフリカ、オーストラリア、ハワイなど。日本でも宮崎県をはじめ、九州南部以南で栽培されている。熟期は産地の夏季で、日本では7〜9月。果実は重さ50g〜2kgぐらいまであり、200〜500gが多い。形は勾玉(まがたま)形や卵形のほか、丸形もある。果皮はなめらかでやや厚く、成熟するときれいにむける。果皮の色は熟すと黄色、黄赤色、赤褐色、赤の混ざった緑色などになるが、なかには緑色のままというものもある。果肉は熟すにつれて色が濃くなり、黄色、オレンジ色から紅色まで。多汁で、熟すとなめらかでねっとりし、濃厚な甘みと適度な酸味、特有の香りがあり、「熱帯果実の女王」ともいわれる。種子は扁平な方錐形が1個。生食のほか、プリン、ケーキ、ゼリー、ジャム、ジュース、アイスクリームなどに使われることが多い。栽培品種は非常に多いが、日本で最も多く輸入しているのはメキシコのアップルマンゴーとフィリピンのカラバオマンゴー。ほかにフィジーのパロットマンゴーやアメリカ・フロリダ産などもある。アップルマンゴーは大きくてりんごを細長くしたような形。果皮は赤の混ざった緑色で果肉はオレンジ色。甘みと酸味のバランスがよく、3〜10月に出回る。カラバオマンゴーは扁平な楕円形。果皮は黄色で果肉は鮮黄色。口当たりがなめらかで甘みが強く、酸味もあり、通年出回っている。いずれも市場に並ぶのは、やや早めに収穫し、追熟したもの。加工品としては缶詰、乾果、冷凍、シロップ漬け、ジャム、ゼリー、カレーの薬味のチャツネなどがある。 ◇栄養成分 主成分は水分で、糖分が多く、疲労回復や風邪の予防に有効なビタミンC、体内でビタミンAにかわって免疫機能の維持や抗酸化作用に働き、老化防止にも役立つカロチンを含む。有機酸は主にさわやかなクエン酸で、安眠、鎮静作用がある。黄色の色素にはフラボノイドの一種、エリオシトリンが含まれ、脂質の過酸化を抑える働きをする。 ◇選び方 果皮にキズや斑点がなく、張りがあり、そっとさわって果肉の締まったものがよい。 ◇扱い方 冷蔵庫で長時間保存すると低温障害を起こすので、生食するときは食べる30分ぐらい前から冷蔵庫で冷やす。種を避けて魚の三枚おろしのようにし、それを適宜切り分けるかスプーンですくって食べるのが一般的だが、碁盤の目のように切り目を入れてひっくり返すと、松かさのようにきれいに広がる。 *ウルシ科なので、漆にかぶれやすい人は注意する。
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