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Top上野万梨子の「パリレシピ」

上野万梨子の

パリレシピ Recettes parisiennes

いつもおしゃれで斬新なレシピを紹介してくださる上野さん。味はもちろん、色や香り、食感、素材の組み合わせすべてが魅力的です。そんな上野さんのパリのキッチンから、2007年は毎月、オムレツレシピが届きます。まずはオムレツから、シンプルフランス料理をはじめませんか?


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vol.9やりいかとえびのオープンオムレツ 黒オリーブ入りフライドライス添え


卵とご飯の相性の良さは、オムライスの例で日本人なら誰もが納得です。バスマチ米を炊いて、刻み黒オリーブと一緒にオリーブオイルで炒めたものを添えます。普通のご飯でももちろんできますが、どうしてもモチモチ感が出てしまいパラッとは仕上がりにくいものです。冷やご飯をあえて乾燥気味にさせてから作りましょう。

BIOの朝市のスタンドに山積みになっている香草。春先には高さが10cmそこそこの小さなブーケだったものが、暖かくなるにしたがって次第に大きな束になります。平葉のパセリやミントなどは、夏にもなれば人の顔が隠れるくらいの見事な大きさです。手で握ってバサバサッと扇げば涼やかな風がおこります。

 カフェでサービスされるオムレツといったら、どこもお決まりでハム入りオムレツかチーズオムレツ、あるいはハムとチーズのミックスオムレツか、オムレット・ナチュールとよばれるプレーンオムレツです。それに加えてボリュームオムレツとしてベーコンとジャガイモ、玉ねぎのソテー入りの "田舎風" があったらよい方です。何十年経っても変化がないのが不思議なほど、かわりばえのない、どこも同じメニューばかり。卵好きな私はいつかどこかできっと目新しいオムレツに出会えるに違いないと、卵メニューには必ず目を通すのですけれど、お食事オムレツはやはり家庭で作って食べるものなのですね。

 今月ご紹介するイカとエビをのせたオープンオムレツはマルセイユ近くのシャンブル・ドットで、主のマダムと一緒にキッチンに立って作ったごちそうオムレツです。シャンブル・ドットというのは日本の民宿のようなシステムの宿のことですが、その家のマダムの手料理を、主夫婦や他のお客たちと一緒に食卓を囲んで食べるところが日本の民宿との違いです。宿のクラスもピンからキリまで。高級シャンブル・ドットとなるとホテルのようなダイニングでムッシュのサービスを受けながらゆったりと。カジュアルなシャンブル・ドットではベビーベッドが置いてある食堂で、赤ちゃんや子供たちの相手をしながらワイワイと和やかに食事をします。

 さてこのイカとエビのオムレツは、マルセイユの港への買い出しにつき合ったある日の夜、隣の家からもらった卵と近所のオリーブ園でとれたオイルやオリーブの実を使って作ったもの。その日は我々以外に客もなく、そこでマダムと一緒に一品だけ作って、キッチンの中の小さな食卓でお気楽に・・・の夜のメニューです。実際には出来上がりにオリーブオイルをたっぷりまわしかけて、上にも平らに焼いたオムレツをのせてはさむという、豪快なお好み焼きのような姿形。目玉焼きもオムレツもバターでは決して焼かないというプロヴァンス風卵料理法は、その晩以来私の「お決まり」になったのでした。そう、料理本のレシピのためにあえてバターを使う以外、プライベートに食べる卵料理には100%オリーブオイルが我が家のお決まりです。

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