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私の家のデジカメ撮影で毎度活躍してくれるのが、食卓のあるサロンに入り、窓に向かって左側にあるビュッフェです。この部屋は東北向きなのですが、目の前に建物がないので真冬以外は一日中程よく明るく、素人撮影でも何とかなるきれいな光に恵まれています。日本では、家は南向きが一番と思っていましたけれど、東北アングルもよいものです。
パリの市場であれば、何処ででもこんなプチポワに出会える・・・というわけでもありません。これはラスパイユのBIO市場で買ったもので、あまりのかわいらしさに思わず写真を撮りました。互いに肩寄せ合って鞘に納まっていたために、丸い豆粒が押されていびつになったものも。
イースター休暇があけると、しばらく人通りが少なかった商店街にも活気が戻ってきます。日焼けした人達が子供連れで並ぶのはクレープの屋台やアイスクリーム屋さん。ヴァカンスから戻ってふだんの暮らしに帰るときの経由地点であるかのように、いつもより長い行列で賑わいます。早朝の配達以外の車両は終日通行止めとなる石畳の通りを、右の魚屋へ、左のチーズ屋に、そして次ははす向かいの八百屋へと人々が移動するのですが、その様子は人通りというよりは、むしろ人だまり。途中で知り合いに出会うと道路の真ん中で長い立ち話です。日本人のような美白信奉者ではないパリマダム達は、湿度が低いせいもあって、立派に皺が寄った顔や首に積み重ねた日焼けとシミなど気にすることもなく、がんがんに陽が当たっているカフェの店先で、タッシュ・ド・ソレイユ(太陽のシミ)だらけの手で毛先をさわりながら、隣の娘に話しかけています。
「ねぇ、髪の毛がこんなに痛んじゃったわ。あなた、いつもどこで手入れするの?」
髪の毛よりも顔でしょ?顔!と、私は思うのですけれど、日焼けした肌は、彼らにとってはやはりリッチさの証なのでしょうね。
この時期、八百屋の店先でパンパンにふくれたさや付きのプチポワ(グリーンピース)を見かけると、予定がなくても買わずにいられません。「ちょっと食べてごらん!」と店のおじさんがさやを開いて差し出してくれます。まぁ、隙間なしに見事にみっちりと並んだ青豆達。つまみ出して食べると、表面の薄皮をほとんど感じさせないやわらかさで、生なのに甘みが十分に感じられるのです。イタリアでは生の空豆をペコリーノチーズに添えて食べますが、グリーンピースではどうでしょう。そしてこの時期は香草が一年中で一番程よく育っている季節です。春先には高さが10センチもなかったハーブの束がこの頃はちょうど20センチ弱くらい。暑くなる頃には葉がかたくなり、花が咲いて、キッチンに飾るには良いけれど食べるにはちょっと成長し過ぎ。今頃はまさにフレッシュハーブの季節です。
そこで今月ご紹介するのは、エストラゴンの香りが鮮やかなプチポワのソースを添えたふわふわオムレツです。オムレツといっても半分にたたまずに、スパテラ使いで卵に大きなひだを寄せるように加熱して、ふんわりと皿に盛りつけるやり方です。青豆を煮る時にはベーコンを使いますが、それは卵の下に隠してあくまでも初夏らしく、黄色と緑の一皿に仕上げています。バーミックスで仕上げたソースには素材のツブツブ感が残っていて、きめ細かく漉さない方が私は好きです。朝ご飯に食べたいような、とっても優しい味のオムレツ。食べる時と場合によってはパルミジャーノチーズをおろしてソースに加えても良いでしょう。
さて今月このオムレツに合わせて選んだメニューは子牛レバーのソテーです。といって、すぐに手に入るものではないですから、その場合は鶏など他のレバーで。赤ワインとバルサミコで仕上げる簡単ソースです。私はほぼ定期的に、そうだ、今日は「血のもの」を食べたい!と思うものなのですが、それは自分の身体が必要としているというサインなのでしょうね。