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Top長尾智子の季節のメッセージ

素材をシンプルに味わう、長尾智子の季節メッセージ


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vol.9食欲の湧く、楽しいご飯。






 そろそろ梅雨の時期ですね。不安定な気候が続くと、体調もバランスを崩しがちです。最近は特に、外と建物や電車の中の温度差も気になるので、この時期から夏にかけては、冷房対策を万全にしておかないと、といつになく注意深くなります。そのせいか、夏でも温かいスープを作りますし、冷たい飲み物は敬遠しがち。そのくらいでちょうどいいような気がします。

 とは言っても、気温が上がれば、オーブン料理やしっかり煮込んだような料理は回数が少なくなり、単純な手順で出来上がるものを考えたくなります。栄養的なことはあまり詳しくないですが、身体を冷やすとされる素材ばかりに偏らないように、少し考えて組み合わせます。鶏肉、ピーマン、しょうがなどを入れて、素材の種類をいくつか組み合わせ、見た目にも食欲が湧くような食事にしたいものです。その上で煮たり焼いたり、メリハリのある味に仕上げたり、ということで、食べるのが楽しいご飯にできるような気がしています。

 やや少なめのお肉類にたっぷりの野菜を何種類かを取り合わせ、そこに辛みや酸味でポイントを作るというのが、大体の基本になっています。組み合わせと味つけで、和に洋にエスニックに、と変幻自在なのです。切り方を変えると、雰囲気が一変することもあるので、あえて大振りに、または細かく刻んでみたりと実験する気分で下ごしらえすると、炒め物から広がって行きます。

 仕上がりは、あまりドライにならない方がおいしいと思うので、途中で必ずと言っていいほど、蒸し焼きをします。野菜の水分で全体が潤う感じになるので、カラカラに乾いた感じではなく、ご飯ともよく馴染みます。たけのこにゴーヤー、ナムプラー、レモンという取り合わせを考えると、エスニック料理ね、ということになりそうですが、ここで使う油はオリーブ油です。サラダ油やごま油でもいいのですが、オリーブ油の個性は、和食からさらにエスニックまで、相性のよさを感じます。邪魔をしないで主張する、という、相反するような不思議な効果があると思うので、おしょうゆよりもくせを感じるナムプラーやニョクマムにも、躊躇なく合わせています。考えてみれば、遠くローマ時代にもナムプラーと近いようなガラムという調味料があったといいますから、それとオリーブ油、レモン、香辛料などの組み合わせは、自然なことなのかも知れません。

 オリーブ油は、使い方によって油っぽく感じたり、逆に、同じ量なのにほとんど感じなかったりするものです。ほとんどの料理で、自分なりの使い方のルールがあるのですが、それは数回に分けて加えること。だしや調味料のように加えて煮て、仕上げにかける、というようなやり方です。火を通したものと生の状態のよさが、両方出るからですが、サラダやマリネも同じです。まず材料と馴染ませて、あとは仕上げに。最後に少しかけるのは、盛りつけもおいしそうになります。野菜を料理することがほとんどなので、オリーブ油はなかったらどうしよう、というくらい、欠かせないものですが、油なのに油っぽくなかったり、煮込みの風味づけを底から支える働きをしたり、ある時は主役になったりと、料理に寄り添うオリーブ油を、もっと研究しなければ、と思ったりしています。

 今回は、風味をよくするための脇役的な使い方ですが、ストレートに味わうのなら、同じ素材を味つけしてから炒めずに蒸して、オリーブ油をかけるというやり方も、ぜひお試しを。

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