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vol.1冬の煮込み料理とバルサミコ


 冬は、煮込み料理がいちばんおいしく感じられる季節。鍋料理や煮込み料理は、香りと湯気も大事な味の一部です。時間がかかる分、具をっぷり入れて多めに作れば、他に手をかけなくてもメニューが十分成立するというメリットもあります。
私は柑橘類の酸味が大好きなので、レモンやすだち、沖縄のシークワサーなどをよく使いますが、煮込み料理の時は、きりっとシャープな酸味よりも、熟成されたまろやかなお酢の奥行きのある味が、より合うように思います。
いろいろな酸味を使っていると、季節に応じた取り入れ方があることに気付くのですが、その中でもバルサミコは活躍の幅が広く、いつもと違った使い方をするだけで、料理の決め手になってくれる調味料です。

 そんなわけで、冬にお薦めのバルサミコの使い方をご紹介しましょう。そのままでおいしいのに勿体ない?いえいえそんな事はありません。煮込みながら、バルサミコがメインディッシュの味を決めてくれるのですから。加えて、実は洋風の料理でなくても使えるところも魅力の一つです。濃度も甘みもあるので、必要以上に煮詰めることも、わざわざ別の調味料を加える事も不要。ここでは紹興酒を少し使いますが、それも手元になければ使わなくても大丈夫ですし、煮汁を多めにして、スープとしていただきます。どうです?いいことずくめでしょう?
鶏肉は骨付きを切り分けて、れんこんと大根も大ぶりに切って、しっかり煮込みます。あくをしっかりすくうこと、煮汁の量を多めに保つ事を気をつければ、あとはバルサミコが味付けしてくれます。
煮込みに合わせて、長ねぎを柔らかく煮てサイドディッシュにしてみました。焦げすぎないようにじっくり焼くのがポイントですが、ごま油とにんにくで、強すぎない風味をつけます。勢いのいい炒め物でも、マリネでもない、穏やかな蒸し焼きといったところでしょうか。温かいうちに食べるのが基本ですが、一度にたくさん作って、半分は冷めてからレモンを搾ってマリネやサラダっぽくしてもおいしい。
もう一つは、普通に炊いたごはんにしょうがといりごまをたっぷり加えた混ぜご飯です。しょうがは多めに入れるときりっとした風味がおいしいですよ。このご飯は、ごく軽く塩味をつける事をお忘れなく。

 最後に、ちょっと思い出したバルサミコのお話を。先日、知り合いのお宅でバルサモ・ディヴィーノを見かけて、聞いてみると親戚のお料理好きの方から贈られたものとか。何に使えばいいのか迷ったものの、今ではフルーツと一緒にヨーグルトに少し混ぜて食べるのが、毎日の習慣だと言います。料理はほぼ和食、大きなお孫さんもいらっしゃるような年配の方です。
調味料を料理の味方に付けるには、先入観を取り払うことから、なのでしょう。バルサミコの使いこなしは、まだまだたくさんありそうです。

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