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春の香りいっぱいに、長尾智子さんから4月のコラムとレシピが届きました。
皆様の食卓に載る、春の味が目に浮かびます。
最近は、店先に並ぶ野菜の季節感もずいぶん前倒しにずれているように感じます。菜の花と言えば、春を感じさせる野菜の代表のひとつですが、いくらお店の棚に並んでいても、まだ寒い時期に食べる気にはなりませんね。暖い日が増えて、葉の緑もくっきりと濃くなったら、シンプルな調理法でたっぷり食べることにしましょう。2束は多いような気もしますが、菜の花がメインと考えれば、そのくらいはあっていいようです。
まず、菜の花の葉を万歳させるように伸ばします。束になっているのをばらすだけでは足りない気がするので、私はいつも、きゅっと束ねられた菜の花の腕を伸ばしてリラックスさせるつもりで一本づつ上に伸ばしてから軽く水につけることにしています。特に、そのままの形を生かす時にはボリュームも感じられるので、食欲も湧きそうな気がしませんか?少しだけ水を足して味付けをしてから軽く蒸しますが、菜の花とあさりとオリーブ油だけで、十分おいしい味が出ます。少し煮汁が残るようにしているのは、それをスパイスの風味をつけたご飯に少しづつかけると、おいしさ倍増だからなんです。
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いつももったいないなあと思うのは、材料から出た煮汁をそのままにしてしまうこと。蒸し煮の相棒をご飯にすると、おいしい煮汁はお皿に残ったまま終わりということもありません。もちろん、菜の花にはパンを添えればいいですし、パスタに和えてもおいしいのですが、今回のようなご飯にすると最後の味付けをすることにもなるので、ぜひこの組み合わせでお試しを。野菜の煮汁はどんなソースにも負けないおいしさと思っているので、ついけちけちした話になってしまいますが、風味が凝縮されたようなひとさじは、やはり無駄にはしたくないなと思うのです。こういう食べ方の場合に重要なのは、どんな塩を選ぶかということ。ミネラル分が豊富でこくのあるもの、後味のすっきりしたものなどなど、色んなタイプの塩を使って何回か作ってみると、不思議とその違いや適性のようなものがわかってきます。
デザートは、ただ切っただけに見えるオレンジなのですが、密かに風味付けをしておきます。しばらくマリネしておくと味が馴染んで、そのまま食べてもアイスクリームなどに添えてもおいしい。リキュールや他の甘みを加えることで、オレンジもひと味違って感じるはずですよ。
長尾智子(料理研究家)